乳がんは増加している

現在、女性全体では大腸がんで死亡する人が最も多くなっています。しかし、25歳から65歳までの方では乳がんが死亡原因の第1位です。ライフスタイルの変化により乳がんになる方が増えているのです。乳がんは40歳代後半から50歳代が一番多いと言われていますが、閉経後も乳がんになりますし、若いから大丈夫だとは言えません。

乳がんになる原因は?

はっきりした原因はわかっていませんが、乳がんは乳腺から発生します。リスクとしては出産歴がない、不充分な授乳さらに肥満など女性ホルモンとの関連が挙げられています。また遺伝的な要因もあり血縁関係に乳がんや卵巣がんの方がいる場合は注意が必要です。

乳がん検診の方法は

乳房専用のX線撮影をマンモグラフィといいます。市町村の検診(対策型検診)として40歳以上の方に2年毎にマンモグラフィ検診が行われています。市町村の検診には含まれませんが超音波検査(エコー)も有効です。場合によっては細胞の検査、MRI(磁気共鳴)検査、CT(コンピュータ断層)検査などを行う事もあります。

月に一度はセルフチェック

20歳からは月に1度、月経後にセルフチェック(自己検診)*をして下さい。月経前はホルモンの影響で乳房にはりや痛みがありますので月経後が最適です。自分の乳房について知っておくことは非常に大事なことです。血縁者に乳がんや卵巣がんにかかった方がいる場合は超音波検査を受けて下さい。
40歳からはセルフチェックに加え、2年に1度マンモグラフィ検診を受けて下さい。乳腺濃度が高いデンスブレスト#の方は超音波検査も検討ください。
セルフチェックでしこり、ひきつれや赤いお乳など気になる症状があれば検診を待たず、すぐ専門の医療機関を受診して下さい。

授乳中は?豊胸術の後は?

授乳中でも基本的に検診はできます。妊娠中や豊胸術後はマンモグラフィを受けられない場合が多いので各検診施設にご確認下さい。

* セルフチェックの仕方

鏡の前で腕を上げたり腰に当てたりしながら乳房にくぼみやひきつれが無いかチェック。そろえた指のお腹側を乳房に滑らせ、しこりが無いかどうかチェックします。

乳がんセルフチェックの仕方

# デンスブレスト(高濃度乳房)

乳房は主に脂肪と乳腺からできています。乳腺が豊富な場合、マンモグラフィでは乳房全体が白く写るためデンスブレスト(高濃度乳房)と呼ばれています。乳がん病変も白く写るため発見が難しくなります。マンモグラフィ検診が難しいデンスブレストですが病気ではありません。

市町村が実施する主ながん検診〈厚生労働省の指針に基づく検診〉

検診名 検査方法 対象者 受診間隔
乳がん検診 問診、乳房エックス線検査(マンモグラフィ) 40歳以上の女性 2年に1回
子宮頸がん検診 問診、視診、子宮頸部の細胞診及び内診 20歳以上の女性 2年に1回

だいとうレディースクリニック  大頭 敏文

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